動機:つい塩分を摂り過ぎてしまうので意識を高めよう。
参考:
ナトリウム(Na)
ナトリウムは細胞内外のミネラルのバランスを保つ働きがあり、成人の体内には約100g含まれている。
体内では塩化ナトリウム(NaCl:食塩)や重炭酸ナトリウム(NaHCO3:重曹、炭酸水素ナトリウム)、リン酸ナトリウム(Na3PO4)のかたちで存在している。
食塩相当量
ナトリウムの量は食塩の量に換算して表現されることも多い。
ナトリウム(Na:原子量23)の重さに対して食塩(NaCl:原子量58.5)の重さは2.54倍である。
逆に、食塩の量を0.39倍するとナトリウムの量が求められる。
目標摂取量
日本人(18歳以上男女)の1日推定平均必要量は、ナトリウムで600㎎(食塩相当量1.5g)と見積もられている。
しかし、食生活を考えると1日に食塩1.5gというのは現実的ではなく、目標摂取量として1日に男性7.5g/女性6.5gが設定されている。
また、WHOは世界基準を1日に5.0gとしている。
一方、通常の食生活でナトリウムが欠乏することはない。大量発汗や下痢の際は欠乏することがあるので注意が必要。
塩分を摂りすぎると
①血液中の塩分濃度が高くなると、それを下げるために水分を多くため込むようになる
→血液量が増える
→大量の血液を流すために血管壁に高い圧力がかかる(高血圧)
→血管壁にダメージが蓄積し、もろくなったり硬くなったりする(動脈硬化)
②塩分を摂りすぎると、その排出を担う腎臓への負担が高まる
→この状態が持続すると、腎臓の働きが慢性的に低下する(慢性腎臓病)
→さらに悪化すると腎不全を引き起こし、透析療法が必要になることもある
③余分なナトリウムはカルシウムとともに排出される
→体内のカルシウムが不足する
→骨のカルシウムが流出する
→骨粗鬆症を引き起こす
④余分なナトリウムはカルシウムとともに排出される
→尿中のカルシウム量が増える
→カルシウムを主成分とする尿路結石ができやすくなる
⑤塩分の多いものを食べると、胃の粘膜がダメージを受けやすくなる
→胃炎になりやすくなり、発がん性物質の影響も受けやすくなる
備忘
食塩[g]=ナトリウム[g]×2.54
日本人の目標は1日に男性7.5g/女性6.5g未満。